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MATLAB & Simulink ユーザーコミュニティー向け日本語ブログ

学生フォーミュラでのサポート

本日は、MathWorks Japanで学生競技会サポートを担当している飯島さんからのゲストブログです。

こんにちは、MathWorksで学生競技会を担当している飯島と申します。今回は学生フォーミュラをテーマにしていきたいと思います。

そもそも学生フォーミュラとは?

学生フォーミュラとは自動車技術会が主催するイベントです。学生さんが自らの知識やスキルを駆使してレーシングカーを構想、設計、組み立て、そしてイベント当日に実機を走らせ、ものづくり総合点を競うイベントになっています。学生フォーミュラの公式サイトによると、日本の自動車産業にとって少子化に伴う優秀な技術者の不足が問題になっています。それを解消するために、こういったイベントを開催しているそうです。学生さんを優秀な技術者さんに成長させてくれるイベントを主催していただき、私もこれで今の学生さんに日本の未来を託すことができます。

と他人事ではありません。かくいう私もこの学生フォーミュラの担当であり、これから学生さんにMATLAB, Simulinkの使い方を知っていただき、日本の技術力の底上げを図るというミッションがあります。今回はその第一ステップとして、スポンサーとしてイベントに参加してきました。主に大会のトレンド、MATLAB利用状況、MathWorks Webサイトで入賞チーム紹介の3点をお話していきたいと思います。

イベント概要&トレンド調査

主催者: 自動車技術会
大会場所: エコパスタジアム @ 静岡県
大会日時: 8/27 – 8/31, 2019
競技車種: 内燃エンジン車、電気自動車
出場国: 右図参照

国別で見た時の出場大学数を図1に示します。図1を見てわかるように日本以外のチームも多く参加しています。開催地が日本ということもありインドネシア、台湾、中国、韓国などアジア圏からの参加チームが多い結果となりました。

また、図2では日本、海外チーム数の比を競技種目別に示しています。内燃エンジンの種目では日本チームの参加率が9割を締めています。日本の高いエンジン設計の技術力を活用しているのでしょう。一方、日本での開催にも関わらず電気自動車の種目では海外チームの数が日本チームの数を超えました。日本以上に海外では電動化に力を入れているように思えます。今後、日本での電気自動車の盛り上がりに期待します。

MATLAB利用状況

実際にエコパスタジアムまで行き、学生さんとお話をしてきました。緊張、不安、笑顔など様々な表情が見られました。写真はMathWorksのブースです。こちらで大会参加チームを対象としたアンケートを取りました。

日本、海外の両チームからアンケートの回答に協力をしていただきましたが、その中で日本人の学生さん(152人)からは、「チームでMathWorks製品をお使いですか?」という質問に対して、なんと72% もの人がMATLABもしくはSimulinkを使用していると回答をしてくれました!! 想像以上に多くの方に使用していただき感謝の気持ちでいっぱいです。日頃よりご愛顧いただき誠にありがとうございます。(図3参照)

全大学の中でも、特に名古屋大学はチームメンバーも多く、EV開発にMATLAB、Simulinkは欠かせないとのことで、「使用している」と回答した人が突出して多かったです。次いで「使用している」と回答した人が多かった大学は神奈川工科大学や京都工芸繊維大学でした。

MathWorks Webサイトで紹介した入賞チーム

今回、名古屋工業大学と名古屋大学の2チームに詳しくお話を伺うことができました。その内容は、Winner’s Circle(英語)で紹介しています。

名古屋工業大学

見事、総合優勝を果たしたのは名古屋工業大学のN.I.T.フォーミュラプロジェクトチームでした。念願の初優勝ということで、おめでとうございます!

チームのコメント:「競技会では初の優勝を達成し、MATLABとSimulinkを使用して2自由度のバネ・マスモデルの解析より、サスペンションの減衰比を決定していました。さらに、MATLABでFFT解析を行い、テストドライブのログデータからいつどのような振動が発生しているかを分析することで改良をしました。」

名古屋大学

電気自動車部門で1位に輝いたのは名古屋大学フォーミュラチームFEMでした。2017年からEV部門で3連覇を成し遂げています。チーム内で上級生が下級生にMATLABやSimulinkの使い方を教える体制もあり、MATLABやSimulinkの使い方だけでなく、学生フォーミュラへの取り組み方も非常に参考になるチームです。

チームのコメント:「MATLABとSimulinkを使用して、ヨーモーメント制御、トラクション制御、およびトルクベクタリングのコントローラーの設計を行いました。プラントや制御システムなど、3自由度の車両モデルを開発、また、dSPACEハードウェアに組み込んだコントローラモデルの制御システムのリアルタイムシミュレーションを実行しています。」

最後に

改めて、2チームとも本当に優勝おめでとうございます!また今回のインタビューに協力していただき、誠にありがとうございました。MATLAB、Simulinkがチームの優勝に貢献したと考えると嬉しい気持ちになりますね。これにて今年の学生フォーミュラに関しての報告を終わりにしようと思います。

次回は11月末に行われたマイクロマウス(迷路を探索してゴールを目指すネズミロボット)の全日本大会についてお伝えしたいと思います。

さまざまなコンペティションにライセンスを提供しています

学生フォーミュラの優勝チームも使用しているMATLAB、Simulinkですが、なんと学生フォーミュラ参加者であれば誰でも無料でライセンスをご利用いただけます。また、一度の申請でチームメンバー全員がライセンスを使えるようになります。まだ使ったことがない方は、是非この機会に学生フォーミュラのページから申請してください。

また、学生フォーミュラ以外にも、RoboCupマイクロマウスなど様々なコンペティションにライセンスを無料で提供しています。詳しくはMathWorksがサポートするコンペティションのページをご覧ください。(※コンペティションのライセンスを、コンペティション以外の目的で使用することは禁止されていますので、ご注意ください。)

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