ロールセンターアプリ
お久しぶりです、学生競技会を担当している飯島です。
先日学生フォーミュラ向けにMATLABのApp Designerを使用してロールセンターの位置を自動で計算してくれるアプリを作成したのですが、海外で反響があったということで、今回は簡単にアプリの概要と使用方法を日本の方向けにお伝えしていこうと思います。
(作成者は私なのでお気軽にご質問ください。)
そもそもロールセンターとは?
ロールセンターとは物体が回転する時の(仮想的な瞬間)中心の点です。ではなぜ、ロールセンターが重要になってくるのかしょうか?例えば、自動車には重心がありますが、この重心の高さとロールセンターの高さが遠ければ遠いほど自動車がバランスを崩しやすくなってしまい、カーブを曲がろうとすると車体がひっくり返ってしまうこともあります。そのためロールセンターの正確な位置を把握して、なるべく自動車がバランスを崩さないようにロールセンターの位置を調整してあげることが重要になってきます。
ロールセンターはどのように決まる?
サスペンションと呼ばれる車のボディと車輪を繋げる機構があり、そのサスペンションの付け方によってロールセンターの位置が決まります。
MATLABロールセンターアプリで出来ること
このロールセンターアプリに必要な情報を入力するとロールセンターの位置を自動で計算して、3次元で表示してくれます。
ロールセンターアプリのダウンロード方法
- 下記に示したリンクをクリック
- 右上にあるダウンロードボタンをクリック
- Zip fileを解凍して、フォルダー内にあるrollCenterCalculatorのファイルを開く
Link: ロールセンターアプリ
*Version: R2020b 推奨
アプリ内入力情報
入力する必要がある情報は大きく分けて2種類あります。
1つ目に車体全体に関する情報
2つ目にサスペンションの取り付け位置に関する情報
① 車体に関する情報
② サスペンションの取り付け位置
*今回はダブルウィッシュボーンサスペンションを採用しているため、取り付け箇所が上部、下部に分かれ、車体側に2点、車輪側に1点としている。
アプリ内出力情報
Instantaneous Center (IC): ロールセンターを計算する途中過程で必要になるパラメーター(瞬間中心)
Roll Center (RC): ロールセンター
Distance between RC and CG: ロールセンターと重心の高さ方向における距離の差
あとがき
以上でアプリの概要と使用方法を簡潔にお伝えしましたが、今回のアプリは初心者でもわかりやすいように、静的のものになっています。中の計算のアルゴリズムを変更することで、パラメーターを増やして動的にも対応できるものにしたり、他の方々にも見えやすくするように表示の形式を変えるなど、MATLAB App Designerでできることはたくさんあります。App Designerの使い方を知りたい場合は、以前の記事で詳しく説明をしてくれているのでぜひ見てみてください。
また、5月~6月中にロールセンターアプリの作成方法に関して無料Webセミナーを開く予定です。
Webセミナーに関してはTwitterからも告知をしますのでこちらも、興味のある方はお見逃しなく。
コメント
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