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MATLAB & Simulink ユーザーコミュニティー向け日本語ブログ

初心者にも優しい MATLAB アプリ開発

今回は、私も興味がある MATLAB アプリ開発について同僚の田中さんが紹介してくださいます。
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Written by Shin Tajima, Yousuke Kawanami, Akemi Tanaka – MathWorks Japan
こんにちは、田中明美 です。通信システムに関連する案件を中心に活動しているエンジニアです。最近は、初めて MATLAB をお使いになるお客様や新しい分野にチャレンジされるお客様にお会いする機会がとても増えています。そのため、こんな事やあんな事ができたらいいなぁ・・・と言うお客様のざっくりしたイメージに対して、そのご要望に沿ったデモを行った時のお客様の歓声や眼差し (最近はオンラインでカメラがオフのこともあるので、勝手な想像ですが・・・) に、嬉しくなる機会も増えています。
そこで今回は、初心者の方でも活用できる機能をご紹介したいと思います。

App Designer

さて、App Designer はご存じですか?MATLAB の基本機能なのですが、意外と知られていなかったり、活用されたことがなかったりする方も多いと感じています。App Designer は、GUI ベースで GUI (アプリケーション) を作成できる機能で、少ない記述量で完成度の高いアプリケーションが作成できます。プログラミングが得意な方や、成果物を共有する必要がなければ、あまり必要性を感じないかもしれませんが、使ってみると思った以上に便利なのです。
冒頭、初めて MATLAB をお使いになられるお客様について触れましたが、無線システムに関連するところでは、より高い周波数を利用する機会が増え、電波伝搬シミュレーションへのお取組みを始められる方が多いです。今までは職人技で対応されていた皆さんも、今までのノウハウがより高い周波数には応用できなくなり、シミュレーションに初めて取り組まれる方がいらっしゃいます。
そこで、こんなアプリケーション (図1) を作ってみました。
図1 電波伝搬シミュレーションアプリ

お客様より

「ビルを考慮した Local 5G 向けの電波伝搬シミュレーション結果をエンジニアでなくても地図上に表示できるようにしたい」
というご要望を受けたのがきっかけです。最初はカバレッジ (図2) だけを解析できる機能を数時間で作成したシンプルなものをお見せしたのですが、お客様がご興味を持たれたことが伝わって来まして、電波伝搬シミュレーションの案件があるたびにバージョンアップし、今では屋内外向けのレイトレーシング解析 (図3)、実験で取得したデータの表示など、より様々な解析が行えるように拡張しました。
図2 カバレッジ解析 地形を考慮 (左) ビルを考慮 (右)
図3 レイトレーシング解析 屋外 (左) 屋内 (右)
ちなみに、電波伝搬シミュレーションを行うことで、最適な通信機器の配置が可能になるため、コストダウン (図4) にもつながります!
図4 アンテナ設置コストダウンのイメージ

弊社のお客様のお客様もご活用

先日、マクニカさま主催のセミナーを拝聴しておりましたところ、ユーザーさまであるシャープタカヤ電子工業株式会社さまが「MATLAB で記述したプログラムを MATLAB Compiler でコンパイルし、MATLAB をお持ちでないシャープタカヤ電子工業株式会社のお客さまにもご活用いただけるように配布されている」というお取組みをご紹介してくださっていました(マクニカさま資料ダウンロードサイト)。
シャープタカヤ電子工業株式会社さまでは、アナログ・デバイセズ社のチップを利用したレーダーモジュールを販売されており、その製品で取得したレーダーデータの解析アプリ (図5) を MATLAB のアプリケーションとしても配布していらっしゃいます。シャープタカヤ電子工業株式会社さまのレーダーモジュールをご購入された方は、MATLAB をお持ちでなくても、プログラミングしなくても、すぐに取得したレーダーデータの解析ができ、独自の解析機能 (AI を使った分類など) を追加したい場合には、MATLAB のライセンスは必要になりますが、コンパイル前の MATLAB のコードをカスタマイズしてご利用いただくことも可能なのです。実信号が簡単に扱えるのって魅力的じゃないですか?
■ AN24_02.m: Range FFT (左) AN24_07.m: BeamForming MIMO 7ch (右)
 
■ 2人のバイタルセンシング例 (車室内のドライバー・モニタリング・システム)
図5 シャープタカヤ電子工業株式会社さま配布のアプリケーションによる解析結果

お試しください

MATLAB はあまりプログラム環境になじみのない方から、プログラミング上級者まで幅広くお使いいただける環境で、初心者向けのコンテンツも多く存在しています。
例えば、学会員でなくても、どなたでもご覧いただける、電子情報通信学会マガジンB-plus [2021夏号No.57]では、初めてのディジタル信号処理シミュレーション (導入編) として、初学者が無償の範囲で MATLAB を使いこなすための情報が提供されています。最近では、MATLAB をローカルの PC にインストールしなくても、Web ブラウザ経由で MATLAB がご利用いただけたり、無償のオンライントレーニング (図6) も受けられるようになっていたりします。
「信号処理入門」コースは、先日日本語化されました!! ちょっとした空き時間でも試せますので、ぜひチャレンジしてみてください。
図6 MATLAB 無料オンラインコース 「信号処理入門」

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