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研究成果を Web アプリで世界に共有 ~ 東京理科大学の先生にインタビュー

今日はカスターマーサクセスエンジニア(略して CSE )の林さんによる投稿です。


こんにちは。カスタマーサクセスエンジニアの林と申します。普段は Campus-Wide License という MATLAB の包括ライセンスをご導入いただいている大学様向けに、MATLAB の教育・研究利用の技術支援を担当しています。

私は仕事柄、大学の先生とお話させていただく機会が多いのですが、「研究成果を MATLAB を持っていない共同研究者に簡単に共有したい」、「作成した GUI アプリを、興味のある人に気軽に使ってもらえるようにしたい」、そういったご要望をよくお伺いします。

そんな中、東京理科大学、先進工学部電子システム工学科の相川研究室の相川直幸先生、名取隆廣先生は、MATLAB Web App Server を使い、血液画像からがん細胞を検出する解析を行う Web アプリを開発されたとお聞きし、なぜ MATLAB Web App Server を使用することにされたか、背景や先生方が感じるメリットなどインタビューしてきましたので、ぜひご覧ください。

その前に・・・Web App Server って?

MathWorks が提供している100以上の製品の中に MATLAB Parallel Server, MATLAB Production Server, MATLAB Web App Server という server 系製品があるのをご存知でしたでしょうか。これらは個人ではなく、多数のユーザーの方に利用していただくプログラムを配布するのに役立つ製品です。

そのうちの一つである MATLAB Web App Server は、MATLAB の Web アプリをホストするための Web アプリケーションサーバーです。MATLAB の App Designer で作成した GUI アプリ(.mlapp ファイル)を MATLAB Compiler の Web アプリコンパイラを使って Web アプリに変換し、MATLAB Web App Server 上に登録することで、Web アプリとして動かすことができるようになります。

図1:MATLABからWebアプリにする方法

 

東京理科大学 相川直幸先生、名取隆廣先生インタビュー

Q1: Web App Server を使うきっかけをお聞かせください。

(相川先生)もともと GUIDE を使っており、画像解析の GUI を作成しそのファイルを共同研究している他学部の先生に渡していました。メンテナンス性やさらに多くの人に共有するために、もっと効率よい方法がないかと探していたところ、MATLAB Web App Server の存在を知りました。東京理科大学は MATLAB の Campus-Wide License が入っていますので、すぐに使えるというところもメリットでした。

 

Q2: MATLAB Web App Server の構築は難しかったですか?

(名取先生)インストールするだけで使えるので、Web 系の知識がなくても簡単に 1 日程度で構築できました。MathWorks から頂いたチュートリアルは分かりやすかったです。

 

Q3: アプリの開発はどのように進められましたか?

(名取先生)研究室の学生が App Designer を使ってスクラッチから作成しました。コンポーネントを選択するだけでアプリが設計できるので使いやすかったです。アプリを App Designer で設計しパッケージ化するだけで Web アプリとして動作するので、簡単に設計できました。

(MathWorks 注釈:GUIDE ですでに作成しているアプリは App Designer への変換も自動で可能になりました。詳しくはこちら)

 

Q4: MATLAB Web App Server を使い始めていかがですか?

(名取先生)これまでは私たちの GUI アプリに興味のある人に、ファイル形式で渡していました。国内だけでなく海外の人にも共有していたのですが、使用する相手の MATLAB のバージョンによっては動かないこともあり、使用するOSで振る舞いが異なったりという点は改善したいと思っていました。またアプリのアップデートをしたくても、毎回ファイルを共有することも大変でした。

せっかくの研究成果ですので多くの人に使ってもらいたく、その点 Web アプリにしてしまえば、ファイルを渡す必要もありませんし、ブラウザさえあれば使う人の環境を気にしなくてよいので、自分たちにとっても相手にとっても非常に有効なツールだと感じています。

 

Q5: どのような Web アプリを作成されたか教えていただけますか?

(相川先生)これは薬学部との共同研究で、血液の画像からがん細胞を検出するアプリです。画像処理のアルゴリズムを私たちの研究室で開発しました。共同研究先では特別なカメラで画像を撮影し、それをブラウザにアップすることで簡単に解析できるような仕組みです。多くの研究者に使ってもらいたいと考えています。

図2: 東京理科大学相川研究室で作成された Web アプリ

まとめ

東京理科大学相川直幸先生、名取隆廣先生、この度はインタビューにお答えいただきありがとうございました!研究成果を Web アプリ化することで、世界の人に簡単に使ってもらえるのは素晴らしいですね!皆さんもご自身の成果物のWeb アプリ化にご興味ございましたら MATLAB Web App Server 試してみてください。

 

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