GPT-5 mini で MATLAB Copilot がさらに高精度に
※この投稿は 2025 年 11 月 13 日に The MATLAB Blog へ 投稿されたものの抄訳です。
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Bio: このブログ記事は、MATLAB Copilot のプロダクトマネージャーである Seth DeLand さんとの共同執筆です。Seth さんは過去14年間、MathWorksで最適化や機械学習関連の製品を含むさまざまなプロダクトマネジメントの役割を担ってきました。
生成AI分野は変化のスピードが非常に速いため、MATLAB Copilot は通常の a/b リリースサイクルにとらわれず、柔軟にアップデートを提供すべきという考えを持っていました。今回、その最新アップデートをお知らせできることを嬉しく思います。MATLAB Copilot(R2025a 以降で利用可能)をご使用中であれば、これらの更新は自動的に適用されます。
- Copilot Chat は、応答の生成に GPT-5 mini モデルを採用しました
- コンテキストウィンドウを拡張し、より長い会話に対応可能になりました
- 「エラーの説明」「コードの説明」「コメント生成」などの機能も GPT-5 mini を利用するようになりました
今回のアップデートの目的は、MATLAB Copilot の応答品質をさらに高めることです。以下に、アップデートの具体例をご紹介します。
Copilot Chat の基礎知識が向上
GPT-5 mini は、以前使用していたモデルよりも知識が豊富で、最新の情報を反映しています。MATLAB Community ブログでは、同僚の Ned さんが「De Jong フラクタルアトラクターを描画する MATLAB コードの作成例」を最近投稿しました。以前の MATLAB Copilot はこのタスクが苦手でした。
試しに旧モデルで例を生成させたところ、結果は (0,0) に悲しいほど小さな点が一つだけでした。
試しに旧モデルで例を生成させたところ、結果は (0,0) に悲しいほど小さな点が一つだけでした。

新しい GPT-5 mini モデルは、これらの概念に対する理解が格段に深まり、応答内容だけでなく生成される図も大きく改善されています。


エラーの説明
「Explain Error」も改良されたモデルを使用するようになりました。以下は、「未定義の関数または変数」というエラーが発生した際に、説明を求めたときの比較です。
旧モデルの場合:

新モデルの場合:
新しいモデルがコードの提案をしてくれるのはとても良い点だと思います。これにより、何が問題だったのかをすぐに確認できます。「Probable Explanation(推定される原因)」も以前より詳しくなっていますが、やや専門的な言葉遣いになっていて、初心者には理解しづらいかもしれません。
LLMには、まだまだ改善の余地がありますね。
コードの説明
今回の変更は、MATLAB Copilot のアクションにも影響しています。私のお気に入り機能である「コードの説明」も、新しいモデルを使って説明を生成するようになりました。
ここでは、私が何年も前に書いた MATLAB クラスを対象に、「コードの説明」が生成した要約を比較します。このクラスは、私の知る限り LLM の学習データには含まれていません。
私自身の要約では、このコードは「MATファイルに保存された航空機のフライトテレメトリを扱うためのカスタムデータストア」です。では、MATLAB Copilot はどのように説明するでしょうか?
ここでは、私が何年も前に書いた MATLAB クラスを対象に、「コードの説明」が生成した要約を比較します。このクラスは、私の知る限り LLM の学習データには含まれていません。
私自身の要約では、このコードは「MATファイルに保存された航空機のフライトテレメトリを扱うためのカスタムデータストア」です。では、MATLAB Copilot はどのように説明するでしょうか?
旧モデルの場合:

新モデルの場合:

個人的な感想ですが、新しい要約は、以前のものよりずっと良いと感じます。
- 「Brief Overview(概要)」はより簡潔で、新モデルの特徴である簡潔さがよく表れています。
- 新しい要約には、旧モデルの要約にはなかった有用な情報が多数含まれています。特に、いくつかのメソッド名が記載されているので、すぐに探し出せます。
- 旧モデルの要約はコードがファイル内で実装されている順序に沿って説明していましたが、それはコードの内容を要約するうえで最も役立つ方法ではありません。新しいモデルはこの点を理解し、重要な情報を冒頭に、重要度の低い情報を後半に配置しています(Hadoop対応は特定の状況でのみ関連します)。
まとめ
生成AIに関することはすべてそうですが、ここで紹介したのはほんの一例です。実際の体験は人によって異なるでしょう。ぜひ MATLAB Copilot で試してみてください。
今後もさらに多くの機能を計画していますので、ご期待ください!
- カテゴリ:
- Artificial Intelligence



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