MATLAB Answers Q&A: Atsushi Ueno さん
MATLAB Answersは最近始めましたが、他者の疑問を深堀すると自分では考えもしない事に気付く事が多くとても良いです。
~Atsushi Uenoさんのとの会話から~
こんにちは、井上 @michio_MWJ です。先日オリンピックの開会式でのピクトグラムのパフォーマンス、見ました?いまだに子供たちに YouTube で見せろとせがまれますが、見ながら一緒に体を動かしている様子はなかなか面白いのでつい見せてしまいます。
MATLAB Answers
さて前回の Hernia Baby さんに続きまして MATLAB Answers で活躍する Atsushi Ueno さん (Twitter: @atsusiueno) をご紹介します。以下のアイコンに助けられた方も多いのではないでしょうか?
実は社内にも上野というエンジニアがいるんですが、お客さんから「MATLAB Answers で回答されている Atsushi Ueno さんですよね?」と間違えられたことも・・。それくらい存在感を示してくださっているのですが、今年の 4 月に初めての回答をされた後 9 月の時点で 168 回答、すでに 全世界で 131 位に位置する暴れっぷりです。本当にありがとうございます!
MATLAB Answers ってなに?という方
MATLAB Answers は MATLAB ユーザーコミュニティの Q&A サイトです。名前は知らなくとも MATLAB のエラーメッセージなどで検索したときに、ご覧いただいたこともあるかもしれません。日本語でも毎月 100 件程度の質問が投稿され、MathWorks 社員も含め回答も積極的に行われています。MathWorks のサポートチームへの問い合わせに対する公式回答も 17,000 件が公開されているので、困ったときにはまず検索がおススメです。
インタビュー
お忙しい中インタビューに対応頂きありがとうございます!まず、簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか?
「Atsushi Ueno です。アラフォーのおっさんで MATLAB 歴は約 20 年です。北海道出身・高専卒で、組み込みソフトウェア開発のお仕事をさせて頂いています。興味がある技術はモデルベース開発 (MBD) や各種制御理論 (古典制御、現代制御) です。2016 年辺りから MATLAB Central に参加させて頂いています。趣味は電子工作で、今は専らジャンク品の修理です。」
MATLAB 歴 20 年ですか!長年のご愛顧ありがとうございます。MATLAB を使い始めたきっかけはなんだったんでしょうか?
「MATLAB を使い始めたきっかけは仕事ですが、仕事では自動運転システムの開発 (自分は評価) に使っています。趣味ではあまり明確な目的が無く、強いて言えば「MATLAB 探求の為」に MATLAB Home を使っています。」
「MATLAB 探究の為」とか・・かっこよすぎです。 Answers での回答を拝見していると、勝手ながら Ueno 様の経験の厚みを感じます。中でも普段よく利用される Toolbox の機能はなんでしょう?また、お気に入りの Toolbox があれば教えてください。
「仕事では Simulink や Stateflow によるモデルの編集やシミュレーション実行を多用します。また制御関連/通信関連 Toolbox の機能を多数使っています。趣味では MATLAB Home の Simulink しか持っておらず、MATLAB Answers で使えるオンライン版 MATLAB (全部盛り)で様々な Toolbox に触っています。個人的には Symbolic Math Toolbox がお気に入りです。MATLAB を含め「学生の時にこれがあれば」と何度悔やんだ事でしょう。」
Symbolic Math Toolbox は私も学生時に初めて触ったときには衝撃を受けました。今まで手計算でやっていたのは何だったのかと(笑) ところで、最近アイコンが「MATLAB はいいぞ」から「MATLAB 完全に理解した」に変わりましたが何かございましたか?
「たまに飽きて気まぐれで変更します。MATLAB の世界(沼)が深過ぎて、私が「MATLAB なにもわからない」や「ワタシハマトラボチョットデキル」になる日は全然来ない事を痛感したので、MATLAB Central のアイコンを「MATLAB 完全に理解した」に変更しました。内輪ネタなので意味が分からない方は下記リンクを参照願います。」
参考:エンジニアの言う「完全に理解した」「なにもわからない」「チョットデキル」って本当はこういう意味?「わかる」の声多数 – Togetter
確かに沼ですね・・ Toolbox の数も多すぎで、私も「チョットデキル」ようになる日は遠そうです。今回の主題でもありますが、MATLAB Answers。こちらで回答してみるきっかけは何だったのでしょうか。
「以前は回答が判らないどころか質問者が何を聞きたいのかも判りませんでした。2か月前から「これなら回答できるかな」と、自分にとって簡単な質問から回答を始めていきましたが、質問者の聞きたい事に対し回答出来ていない事に気付いて、意識を改めながらもまだまだな状態で現在に至ります。
- 2011年「目覚め」 仕事を通じて MATLAB の修行開始
- 2016年 MATLAB Cody で修行開始
- 2021年 MATLAB Answers で回答開始
という経緯を踏んでいます。
2011 年「目覚め」とは、当時参加していた「人力検索はてな」という質問掲示板で MATLAB 関係の質問に回答した際、自分(jan8)が 8 行書いたプログラムと同じ事を、2 番目の回答者がたった 2 行で済ませたのを見て驚いたエピソードです。参考:Matlabで、例えば1000個の乱数をrandnで発生させて、そのうちあ… – 人力検索はてな (hatena.ne.jp)」
Ueno 様ご自身、質問はまだされておりませんが、Ueno 様ご自身が何か困ったときにはどう解決されているんでしょうか?
「仕事では機密保持とか色々厄介な問題があるので、どうにもならない事だけを MathWorks Japan 様の「問い合わせフォーム」で問い合わせています。趣味では Google や MATLAB Answers の回答で事足りています。他者の質問の回答が判らない場合はコメントするか他の回答を待つしかないのが悩みです。」
MATLAB Answers で質問はできないケースもありますね。MathWorks のサポートのご利用ありがとうございます。世界的に見ても Ueno 様の回答数は多く、Weekly ランキングでよい順位に食い込んでいらっしゃるのを拝見しています。MATLAB Answers で回答するモチベーションはなんでしょうか?
「誰かかまって、、もとい自分が回答する事で自分も学べる事がモチベーションに繋がります。また質問者様のコメントや採用された回答の数が励みになります。MATLAB ではありませんが「Yahoo! 知恵袋」で質問された C/C++ 言語に関する質問に YouTube 動画で回答している YouTuber 様が居て、私もいつもお世話になっております。動画だけあって非常に分かり易いです。こういうモチベーションの持続方法を真似したいなと思っています。(動画作成までは真似できていませんが) 参考:Programmer – YouTube」
回答してみようかなぁ、、でもなぁ。。と躊躇している方に向けたアドバイスがありましたらお願いします。
「今考えた事を今書き込めばいいんです。回答を躊躇するならコメントとして書き込みましょう。多くの質問は不明確で、思い込みや用語の違いも多分にあり、質問の意図や詳細を聞き出さないと回答が正しいのかどうかさえ良く判りません。ルールやエチケットを守れば責任も強制もなく、過失なら誤回答しても、質問/回答を途中で止めても OK。何か考えが生まれたら書き込めば良いのです。
MVP 回答者各位の回答は流石に的を射ていて素晴らしいです。また彼らが大量の質問を「捌いて」いる様子を伺うと、内容が簡潔過ぎて回答出来ない質問には容赦なく「コードとエラーをコピペせよ!」「まず自分でやってみてから分からない事を聞くんだ!」とコメントしています。回答を促す質問者へのコメントは私も回答者として賛成で、質問者が引っ込んでしまわない様に様子を見ながらコメントを入れていこうと考えています。
その一方でどんなに分かり難い質問でも行間を読んで回答につなげる「伝説に残る回答」も残したいです。(下記は MATLAB に関係ないですがその例)
【質問】この曲名を教えてください「♪てーんてーん♪ててててーんてん♪ててててーんてん♪ててててー」
【回答】映画「スターウォーズ」のテーマ曲 “Main Title/Rebel Blockade Runner” ですね(動画リンク)
【コメント】それです!ありがとうございます!」
確かに・・なんでそれで分かったの!?という回答ができると気持ちよさそうです(笑)また質問者の意図を早々に確認するのは重要ですね。不明瞭な部分を推測し始めると大変です。さて最後に、今後も MATLAB を使って頂くうえで MathWorks が何かお手伝いできることはありますでしょうか?
「Toolbox等の製品開発を邁進して頂きたいです。自動運転界隈では、従来の ECU 開発環境には殆ど無かったモダンな IT 開発環境やオープンソースの世界に入っていかざるを得ない状況です。商用ソフトウェアとオープンソースが共生・協調して動く必要に迫られています。」
まとめ
Atsushi Ueno さん、お忙しい中インタビューにまで応じてくださりありがとうございました。
「MATLAB Exchange (閲覧のみ)と Cody は活用しています。いつか何か良い物を作って Exchange に上げたいです。ThingSpeaks とか Blog とかも頻繁ではありませんが、MATLAB Central 内にあるものは大体全部見て、活用しています。」
とのことで MATLAB Central もご愛顧頂いている Atsushi Ueno さん。実は MATLAB Central 自体も設立から 20 年。Ueno さんが MATLAB を使い始められた時期とも重なりますね。今後とも何卒よろしくお願いいたします!
MATLAB Answers での日本語での新着質問・回答は MATLAB Answers JP bot (@JPMATLABAnswers) で紹介しています。皆さんの参考になるやり取りが見つかれば嬉しく思いますし、わかるかも?という質問がありましたらぜひコメントだけでも残してくれるともっと嬉しいです。
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「私もこんなことやってみたよ」など披露の場を待っているネタがございましたらご連絡お待ちしております。ぜひブログでも紹介させてください。
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