第1回 MATLAB芸人会~あのQiita記事を書いた人はどんな人?~
MATLAB 芸はインターネットの海に流せ
流れてきた MATLAB 芸には称賛を
~モータ制御マンさんのライトニングトークから~
お久しぶりです。井上 @michio_MWJ です。引き続き在宅勤務中(既に7か月・・)なんですが運動不足を実感しています。最近スクワットや腕立てなど簡単な筋トレをするようにしていますが途中で子供が抱っこをせがまれるので負荷高めです(笑)
さて、、先日行われた MATLAB Expo 2020 でのライトニングトークは今年で4年目ですが初のオンライン開催。幅広い層の講演者に参加頂いたおかげさまでこれまでにない盛り上がりでした。Twitter でもコメントが多数見られましたので Moment: MATLAB Expo 2020 Lightning Talk に纏めました。当日の雰囲気が味わえるかもしれません。発表も YouTube で順次公開中です。
今回はその少し前(7/18, Sat)にこっそりオンラインで実施された第1回 MATLAB芸人会のレポートです。
あの Qiita 記事を書いた人はどんな人?
この MATLAB 芸人会はテーマを「あの Qiita 記事を書いた人はどんな人?」と設定し、各々が想う「あの人」に出会える企画としました。
そして MATLAB/Simulink の記事を Qiita に投稿されている方にお声がけし、当日は14人の方々に集まって頂きました。MathWorks Japan からは私とブロガーの道家、遠藤、そして MATLAB 芸人が高じて気が付いたら社員になっていた griffin291 (Twitter) を含め 6 人が参加。
- 21:30 開会(乾杯)
- 21:40-22:40 ライトニングトーク
- 22:40-23:00 座談会
- 23:00-24:30 (座談会第二部)
という流れでいきなり乾杯から始まり、最終的に深夜まで MATLAB のヘビーな話題で盛り上がりました。ライトニングトーク発表中に繰り広げられるコメント・ツッコミ・感想の共有はオンラインならではの良さだったと思います。とても楽しかったです。後日録画したものを社内限定で共有したのですが「業務中に見ると止まらなくなるので、困ったものです・・・」との声もありました。
個人的には「MathWorks のセミナーに参加するときはプロ(講演者)の MATLAB しぐさに目を光らせている」と、今後妙な意識をしてしまいそうなコメントが印象に残っています。他にも様々なユーザー目線からのコミュニティへの期待も教えて頂き、今後のコミュニティ活動へのヒントを沢山もらうことができました。参加してくださったみなさま、ありがとうございました。
3つのライトニングトーク
今回は
- なぜMATLABを使っているのか
- MATLABを使ってxxxしてみた
というテーマでライトニングトークを募集したところ、 3人の MATLAB 芸人が名乗りを上げてくださいました。各々、発表時のスライドも公開してくださっているので是非ご覧ください。
ここでも少しだけご紹介いたします。
1. “なろう!MATLAB 芸人 Boys be MATLAB Geinin” by モータ制御マンさん(Twitter, Qiita)
1人目は当ブログでは常連感のあるモータ制御マンさん。MATLAB 歴は 10 年ですが、MATLAB 芸人歴は 2 年とのこと。
今回のライトニングトークでは「MATLAB 芸」に1つの定義を提供してくださいました。
MATLAB芸=本人、または周囲が楽しくなればそれが「芸」
そして「MALTAB芸エコサイクル」を回すことで引き出しが増えるということで、まさに私が目指している理想像と合致しており嬉しく思いました。
「なぜ motorcontrolman が MATLAB 芸人になったか」という点については 1 人の MathWorks 社員の影響が大きく、そのエンジニアの講演を聞いて MATLAB って楽しいのでは?と考え始めたとのこと。私もそんな影響を与えられるような MATLAB の中の人になるべく、世界の誰かが楽しくなるネタを提供し続けていかねば、との思いを強くしました。
始めて作成されたという MATLAB 芸「タイ人 or 名倉潤判定機」の詳細も気になるところですが、こちらは時間の都合で披露はありませんでしたので、次の機会を楽しみにしています。
2. “MATLAB と生きた 7 年間” by Wataru Imahayashi さん(Twitter, Qiita)
2人目は奈良先端大学の博士課程に在籍中の Wataru Imahayashi さん。学部時に実施した倒立振子制御実験での MATLAB との初めての出会いから、現在に至るまでどんなことに MATLAB を活用されてきたか、というストーリーを語って頂きました。
MATLAB ワールドツアーと称して、強者を求め研究外のコミュニティーに目を向けられた時に見つけたのが、MATLAB ポケモンやスーパー MATLAB ラザーズを生み出した MATLAB 芸人の遠藤(Twitter)だったとのこと。
MATLAB 芸人の脅威を感じ自らも「何かキラーコンテンツや強さをみせねば!!」ということで、参加されたのが MathWorks Minidrone Competition at Tokyo 2019 でした。そこで 遠藤と初めて出会った・・という話ですが、詳細は”Qiita: MathWorks Minidrone Competition at Tokyo 2019 (参加した感想編)” にもまとめてくださっていますので、是非ご参照ください。
座談会で出た「MATLAB 派ですか?Simulink 派ですか?」という質問に対しては、「正直 m ファイルだけで完結させたいので Simulink 捨てたいと思っているが・・」と思い切った発⾔も⾒られました。現時点で Simulink より m ファイルの方が研究での使用率が高いというのが主な理由とのことですが、複数のツールを行き来することでミスが入り込む可能性がある点、ソースコードを管理しやすいという点からも統一されたいという気持ちがあるようです。外部のハードウェア連携やSimscape 利用など、Simulinkだからこそ手軽に実現できるという点は置き換えきれないとの声も。
現在は MATLAB Student Ambassador (@奈良先端⼤学)としても活躍されていますが、今後も MATLAB 芸人としてのさらなる活躍も勝手に期待させてもらっています!
3. “脳画像解析への MATLAB の応用” by Masumi Morishige さん(Twitter, Qiita)
慶應義塾大学の前期博士課程に在籍中の森重さん。「障がいのない社会」をつくる というミッションを掲げ、
- Researcher:ヒトの学習や障がいに対して科学的にアプローチする
- Educator:多様な人と向き合い、理解する
- Developer:目の前の一人からより多くの人へスケーリング/システム化する
の 3 つの側面から現在活動されています。活動の詳細及びリリースされている作品・記事はこちら(umi-mori.jp)からご覧いただけます。1つご紹介すると 処理完了後にG-Mailで通知する方法! の記事は、長い時間がかかる解析をやられている方は重宝するのでは?と思いました。
森重さんの明確なビジョンはもちろん、それに沿った生産性の高さには驚きました。
MATLAB を使う理由としてはフィードバックの遅延を減らす目的に合った処理速度の速さ、そしてデファクトスタンダードである脳画像解析ツール(SPM/CONN)の存在を挙げられており、ライトニングトークでは SPM を使った脳画像解析について簡単に解説して頂きました。
「業界特有の MATLAB 芸は?」という質問には、「”チャラい脳画像”を作るためにカラーマップを作成すること」が流行っているとか。独自のカラーマップを作るライブラリも作成されているようです・・使ってみたい。。
参加者からの声
参加して頂いた方からの声をこちらで一部紹介させて頂きます。
“トークや座談会を通して「やっぱり MATLAB っていいな」と思えました。研究室外の MATLAB ユーザーの方のお話がとても新鮮に感じられました。”
“この度は大変面白い会に招待いただきありがとうございました。今回は MATLAB というツールにフォーカスした会でしたが、画像処理、制御など技術分野ごとに開催しても面白そうだと思いました。立場こそ違いますが、私もコミュニティの発展に貢献できればと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。”
“モータ制御マン様などこれまで Qiita でご活躍されていた方々のお話を直接聞くことができて、勉強にもなった上、とても楽しかったです。また、MATLAB コミュニティの今後の話をお聞きして、私も記事投稿を通じて微力ながらお手伝いしたいという気持ちを再確認できました。(宴会芸も大変面白かったですw)”
というような嬉しい声もある一方で
“座談会では制御系の人しか分からない話に深入りしたり、身内ネタ(?)のような場面もあったりしたので、幅広い分野の方々や初めての人が参加しやすい雰囲気作りがあれば、もっと良かったと感じました。”
など運営側の課題も浮き彫りになりました。
参加のしやすさや発表中のコメントのやり取りなどオンライン開催ならではの良さはありましたが、その場の話題が 1 つに限定されてしまうのはオンライン開催の難しさかと感じました。例えばグループ分けなどで小さな単位での座談会という場もあっても良かったかもしれません。
まとめ:第2回 MATLAB 芸人会に向けて
これまでの MATLAB Expo や各所で実施しているセミナーなどまじめなイベントに加えて、楽しさありき(+不真面目さもある)ユーザー会を実施したいと考え、初めて実施した MATLAB 芸人会でした。MathWorks 側からの発表が滑らないかとか、参加者同士の会話が盛り上がるだろうか・・など心配していたのですが、課題は残ったものの杞憂に終わって運営側としてはホッとしました。
翌日には早速話題に上がったネタを実装されたツワモノも・・
「でもな、オカンが言うには入力が紙テープらしいねん」
「ほなMATLABちゃうやん!」 pic.twitter.com/dVjmzF3aQx— 🦓幸福🦓 (@HppyCtrlEngnrng) July 19, 2020
MATLAB というツール軸で異分野の人と交流できる場というのは我々にとっても刺激になります。今回頂いたコメント・フィードバックを参考にさせて頂き次回に繋げていきます。
さっそく第 2 回の MATLAB 芸人会実施案も挙がっています。乞うご期待。
参加してみたい・・という方は是非井上(@michio_MWJ )までご連絡ください!
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