大学生が MATLAB で学び、伝え、成長する!学生アンバサダーの活躍
今回は Education Customer Success の村田さんがお送りします!
こんにちは、大学向け包括ライセンスの導入サポートをしている村田です。
皆さんは、現役大学生による「MATLAB 学生アンバサダー」をご存知ですか?MATLAB は、学生生活でも存分に使ってもらいたい中で、特に楽しんで MATLAB を使いこなし、その楽しさを周りにもシェアしてくれているアンバサダーのひとりである、電気通信大学の原木さんにインタビューしました。
Q1.原木さんの自己紹介をお願いします。
電気通信大学 大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻に所属している原木響也と申します。2021年3月から2024年2月まで MATLAB 学生アンバサダーとして活動させていただきました。
MATLABとの出会いは?
電気通信大学での講義にて出会いました。当初は「シミュレーションができる凄いソフトウェアなんだな~」としか思っていませんでした。しかし、交換留学先で MATLAB を使った演習などを行うことで、MATLAB には自分のアイデアを簡単に試せる環境が整っていることに気づきました。
例えば、“大学の講義資料に載っているグラフを自分で作って試してみたいとき”、“授業中に見たシミュレーションを別のパラメータで動かしたいとき”、“友達に課題の解き方をアニメーション付きで教えてあげるとき”など、MATLAB を使うととても便利でした。
Q2.MATLAB 学生アンバサダーになったきっかけは?
私がMATLAB 学生アンバサダーになった理由は、もっと MATLAB の良さを伝えていきたい、MATLAB を使い続けたいと思ったからです。これは、私が MATLAB に出会うまでのお話と関係しています。
交換留学での経験が起点だったようですね?
大学入学当初はプログラミングをやったこともなく、入学後も C 言語を少しかじる程度しかプログラミングをしたことがありませんでした。その後、スウェーデンへ交換留学をした際に、現地の大学で MATLAB を使った信号処理や計算工学に関する演習に直面しました。異国の地で難しい理論を学ぶことに加えて、経験の浅いプログラミングで演習を行う必要があり、最初はとても不安でした。
しかし、MATLAB はドキュメントの例が充実していたため、使い始めるのが簡単でした。結果的に、MATLAB で試行錯誤を繰り返した演習はとても楽しかったです。こんな経験をして日本に帰ってきた後、私は MATLAB をもっと使いたいと考えました。そんな時、Twitter(現X)で MATLAB 学生アンバサダーに関する投稿を見つけたので、思い切って MathWorks の中の人に DM しました。
Q3.これまでの活動で印象に残っていることは?
「AI ロボティクス ワークショップ」という MathWorks のエンジニアさん作成コンテンツを使用したイベントを開催したことです。
このコンテンツでは、Deep Learning を使用して作成された制御器を使ったロボットのライントレースのシミュレーションを行います。制御工学や Deep Learning を学んだことはありましたが、専門ではなかったので、コンテンツの理解と改良に多くの時間を要しました。
また、特に大変だったのが、このイベントの趣旨を考えることです。「AI ロボティクス ワークショップ」は MATLAB の使い方を教えるだけではなく、社会や企業でシミュレーションを行うことの利点を説明することも目的の一つとなっていました。
しかし、まだ社会人を経験したことのない私にとって、説得力のある説明ができるかがとても不安でした。そこで、MathWorks のエンジニアの方にアドバイスをいただき、無事に電気通信大学にてイベントを開催することができました。
- 「AI ロボティクス ワークショップ」の様子: MATLAB Workshop ~ライントレースのシミュレーション~ イベントレポート #DeepLearning – Qiita
- イベントで使用したファイルも公開してくれています!(読者の皆さんも自由に利用できます)GitHub – HibiyaHaraki/ai-robotics-workshop: Hands-on workshop on learning how to develop AI-based autonomous mobile robot
Q3.学生アンバサダーの活動を通して嬉しかったことは?
自分にできることが増えていくのを体感できたことがとても嬉しかったです。活動を始める前に MATLAB を使用したことがあったとはいえ、使用したことのある機能のほとんどが MATLAB の基本的なコマンドのみで、Toolbox 等に含まれる発展的な関数等を使用したことはありませんでした。
そのため、活動を開始した当初は、オンライン自主学習コースとして用意されている MATLAB入門 を使って、MATLAB の基礎を伝えることしかできませんでした。その後、活動を進めていく中で、もっと学生の方々に MATLAB を使うことが面白そうに感じてもらえる方法を考えるようになりました。
学生さんにより興味をもってもらうために、探求されていたのですね!
はい、そしてそんな時、MATLAB のドキュメンテーションに含まれる例を MATLAB Online で確認していました。「面白いことをしている例はないかな」と探すうちに、様々な Toolbox の機能を使うようになっていきました。この結果、多くの Toolbox に含まれる関数についての知識も増えていきました。
また、電気通信大学で行うイベントも、ただ MATLAB の基礎を伝えるだけではなく、MATLAB の発展的な機能にも触れたり、Symbolic Math Toolbox や Simulink を用いたイベントを開催することもできました。
AI ロボティクス ワークショップなどを通して新しく学んだ知識を使って作ったアニメーションをSNSに投稿したりもしていました。
新年あけましておめでとうございます.
本年もよろしくお願いいたします.#MATLAB #Simulink pic.twitter.com/AU23ti2gCF— ヒビヤ@元MATLAB Ambassador (@hibs_MATLAB_Amb) December 31, 2023
Q4.就職も決まり卒業間近ですが、アンバサダーの経験が役に立ったことはありますか?
MATLAB 学生アンバサダーとなり、定期的に社会人の方とミーティングを行う時間ができたことは、私の学生生活や就職活動にとって非常に役立ちました。私の場合は、1~2週間に1回の頻度で30分程度、MathWorks の方とミーティングをしていました。
ミーティングでは、時に、活動の経過や今後の計画を端的に伝える必要がありました。そのため、自分の意見を短く、しかし、わかりやすく伝えられるように工夫しました。このミーティングを3年間繰り返すことは、私の研究発表や就職活動等で、自分が理解した内容を相手に伝える場面で、大いに役立ちました。
また、時間に余裕があるときは、MathWorks のエンジニアの方に社会人生活に関するお話(「なぜ MathWorks で働くことを選んだの?」等)を聞くことができたため、自分のこれからの社会人生活を想像することができました。
学生の皆さんへメッセージをお願いします!
このインタビューで伝えきれなかった「MATLAB 学生アンバサダーになってよかったこと」の一つが MATLAB EXPO に参加させていただいたことです。
私は、MATLAB 学生アンバサダーとして MATLAB EXPO に2回参加させていただきました。まだ学生である自分が、社会を支える製品に携わっているエンジニアの方々のお話を聞けたことはとても有意義でした。加えて、普段の学生生活では、自分の研究に関するお話を見聞きすることが多かったのですが、MATLAB EXPO に参加したことで、自分の研究分野以外の面白そうな技術を知ることができました。
もし「MATLAB って何ができるの」とか「MATLAB って社会でどのように使われているの」のような疑問を持っていらっしゃる方がいたら、ぜひ MATLAB EXPO に行ってみてください。平日は難しいという学生さんは、MATLAB EXPO で行われるライトニングトーク 【YouTube】(たくさんの方が MATLAB を使った経験を発表するイベント)のアーカイブを見るのもおすすめです。
まとめ
原木さん、本日はありがとうございました!
原木さんの MATLAB 学生アンバサダーとしての取り組みは、学生さんたちが MATLAB を使いこなし、自らの課題や研究、プロジェクトに生かすための大きな助けになっていたと思います。原木さんの探求心たっぷりのアイディア・企画や MATLAB にかける情熱、熱心なサポートに深い感謝の意を表し、今後のご活躍も期待しています!
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