【学生フォーミュラ向け】技術習得のステップ:ICV・EV学習パス
今年度も多くの学生フォーミュラチームとお話しする中で、「どこから手をつければよいのか分からない」「ICVからEVへの移行に戸惑っている」といった声をよく耳にします。
そこで今回は、ICV(内燃機関車両)とEV(電気車両)それぞれに必要な技術と、学習の進め方について海外のメンバーと整理してみました。
初めての方にも、ステップを踏みながら理解を深めていただける内容になっています。英語の多いコンテンツではありますがお役立てできる内容を盛り込んでいるのでぜひ参考にしてみてください。
はじめに
このブログでは、学生競技会の学習リソース新しい「学習パス」を紹介します。このページでは、あるテーマに関連する資料や情報を、ひとつの場所でご覧いただけます。トピックやスキルレベルごとに整理された、MATLABとSimulinkを使用したドキュメントの例やビデオチュートリアルを見つけるために使用できます。
スキルレベル
これらのリソースは、使いやすさを考慮して、スキルレベル別に分類されています。ブログで紹介したツールやコンセプトを初めて扱うチームメンバーには、まず「Beginner」初級タグのリソースから始めることをおすすめします。慣れてきたら「Intermediate」中級へとステップアップしてください。「Advanced」上級レベルのユーザーは、直接そのカテゴリに進んでも構いませんし、掲載されたリソースの中から、自分のアプリケーションに役立つ追加情報を探すこともできます。
- 初級 – MATLAB、Simulink、自動車の基礎知識を初めて学ぶ方にお勧めします。
- 中級 –基礎的な工学の知識や、MATLAB・Simulinkの基本的な使い方、自動車の基礎知識がある方におすすめです。
- 上級 – 自動車に関する実務の知識や、プログラムの経験、MATLAB・Simulinkの操作に慣れている方におすすめです。
リソース
- Onramps (入門教材) – MATLAB入門はMATLABの基礎を自分で学べる教材です。特定の内容について、MATLABやSimulinkを使った練習ができます。課題や修了証も用意されています。
- 動画- さまざまな内容を、順を追って説明した動画や、発表形式の解説をまとめています。MATLABの公式動画チャンネルでも見ることができます。これらの動画は、MATLAB YouTube チャンネルでご覧いただけます。
- ブログ記事 – Student Loungeで公開している技術記事では、やり方や手順、最新の資料を紹介しています。
ガソリン車(内燃機関車)の学び方
MATLABやSimulink、Simscapeを使った、ガソリン車の事例や解説動画をまとめています。
主なツールや機能:
- Simscape Multibody – 完全なCADアセンブリをインポートし、複雑な機械の動きを表現できます。
- Simulink 3D Animation – Simulink モデルと MATLAB アルゴリズムを Unreal Engine® に接続し、 3D 環境での動的システムのシミュレーションと視覚化を可能にします。
- Vehicle Dynamics Blockset – 推進力、ステアリング、サスペンション、車体、ブレーキ、タイヤ、ドライバーモデルのコンポーネントライブラリ、コンポーネントコントローラ、監視コントローラ。
- Powertrain Blockset – エンジン、トラクション・モーター、バッテリー、トランスミッション、タイヤ、ドライバー・モデルのコンポーネント・ライブラリと、コンポーネント・コントローラおよび監視コントローラが含まれています。
応用分野
この学習パスは、ガソリン車の基本から、よく使う場面のモデル作りまで、必要な資料を紹介しています。
- SimulinkやSimscape、Stateflow、Control Design Onrampsでエンジン車設計の基礎を学ぶ
- ブレーキの動きを例に、仕組みや計算のやり方を知る
- Powertrain Blocksetでエンジン設計や車の動きのモデルを作る
- Vehicle Dynamics Blocksetでスキッドパッド(定常円旋回)試験の例を通じて車の動きを理解する
- パワーステアリングや、簡単な車体のサスペンション(ばねやダンパー)のモデルを作る
- SimulinkとUnreal Engine®を組み合わせた動きの見せ方や、Simscapeで変速機のモデルを作るなど
電気自動車の学び方
MATLABやSimulink、Simscapeを使って、電気自動車に関する事例や解説動画をまとめています。
主なツールや機能:
- Simscape Battery – 電池の仕組みや設計を調べるための道具。
- Simscape Electrical – 電子回路や電気の流れを調べるための部品集のライブラリを提供。
- Virtual Vehicle Composer – 仮想の車を作り、全体の性能や動きを調べることができます。(コンポーネントのサイジング、燃費、バッテリーの充電状態、ドライブサイクルのトラッキング、車両のハンドリング操作、ソフトウェア統合テスト、HIL(Hardware-in-the-Loop)テストなど)
- Stateflow – フローチャートや状態遷移表を使用して、監視制御、タスクスケジューリング、障害管理、通信プロトコル、ユーザーインターフェース、ハイブリッドシステムを設計・開発できるグラフィカル言語。
応用分野
この学習パスは、電気自動車の基本から、よく使う場面のモデル作りまで、必要な資料を紹介しています。
- Simscape Battery Onrampで電池の基礎を学ぶ
- Simscapeを使った電池のモデル作りを動画で学ぶ
- 電気自動車の電池の設計や大きさの決め方を知る
- Simulinkで電池管理システムの作り方を学ぶ
- 参考例を使って、滑り止めブレーキや電池の充電のモデルを作る
- Vehicle Dynamics Blocksetでスキッドパッド(定常円旋回)試験の例を通じて車の動きを理解する
- Simscape Vehicle Templatesでいろいろなサスペンションの車を作る
- Simscape Electricalでモーターの制御装置の作り方を学ぶ
- Virtual Vehicle Composerの使い方や、MATLAB・Simulinkでハイブリッド車を作る方法を動画で学ぶ
自動車のモデル作りや学びに、これらの資料をどのように活用しているか、また学習を楽しんでいるか、ぜひご意見をお聞かせください。
その他のリソース
- Online Training Suite
- Student Programs Tutorials and Videos
- Formula SAE Michigana nd Formula SAE Electric Competition Page
- Get started with Virtual Vehicle Composer App
- Category:
- コンペティション
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