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Minidrone Competition at ICRA 2024

 

Minidrone Competition at ICRA 2024の結果報告:

 

 

お疲れさまでした!MathWorksの飯島です。

2024年5月15日から16日で国際ロボティクス・オートメーション会議(ICRA 2024)にて、MathWorks主催のミニドローン競技大会「MathWorks Minidrone Competition」を開催しました。今回はその時の大会の様子と結果を記事にしていきたいと思います。

大会概要はこちら

 

大会の目的

Minidrone Competitionの主な目的は、学生に対してドローンの制御モデル作成を通して実践的なスキルを学ぶ場を提供することです。特に、モデルベースデザインのような産業界で重要とされるスキルを実際に活用することで、参加者が現実の問題解決に取り組む経験を積むことができます。また、この大会はチームワークや問題解決能力を養う場としても機能しています。

 

ファイナリスト

本大会(ファイナルラウンド)では 74チームの申請があった中で予選(シミュレーションラウンド)を勝ち抜いた上位5チームが選ばれました。そして、なんと全5チームが日本チームとなる結果となりました。申請者の半分以上は海外チームの申請がある中で日本チーム独占となったのは、日本の技術力の高さがうかがえた結果となりました。

・ Team Yamakita-Sampei-Lab

・ Rhogiken

・ Sennbaduru

・ KraftSpace

・ Kindai University

今回のファイナル出場チームは上記5チーム。

Team Yamakita-Sampei-LabとRhogikenは同じ東京工業大学のチームであり、東京工業大学からなんと2チームがファイナルに進出しました。システム制御のスペシャリスト達、恐るべし…。また、日本初のMinidrone大会でチームを優勝に導いた小川さん率いるSennbaduruチーム(2019年度大会最終結果)。ファイナルに急遽1名で参加することになりながらも最後までやり遂げるガッツを見せてくれたKraftSpaceチーム。そして今回初めてSimulinkを利用して出場をしたにも関わらず完成度の高いシミュレーションモデルを作成したKindai Universityチームなど、今回の大会はドラマに満ちた幕開けとなりました。

 

大会の様子

練習ラウンド(実機実装)

実機実装で試験することで、シミュレーションだけでは捉えきれない実際の環境での動作や、予期せぬ問題点を発見することができます。今回は、Minidroneに組み込めるメモリや計算処理能力の確認、エラー処理、パフォーマンス向上のためのチューニングをしています。また、カメラセンサーの精度、接続問題、電力消費などに関しても現実世界の条件下で挙動を確認することで新しく気づくことが多くあります。この練習ラウンドは、それぞれのチームが上記のような現実世界とシミュレーション上でのモデル挙動の違いによる課題を理解し、解決させるために試行錯誤していく場でもあります。

 

ファイナルステージお披露目

ファイナルステージは練習ステージよりも難易度を上げ、今回のコースは直角90度を導入しています。チームメンバーはこのコースを自分の考えたアルゴリズムが通用するのかを不安な気持ち半分、挑戦してみたい気持ち半分、といった面持ちでした。また、このお披露目の後、ファイナルの実装まで残された時間で最終調整を行っていきます。

 

ファイナルラウンド

実際にファイナルのステージを飛行している様子です。直角90度を通過し、最終地点で見事な着陸をしています。

どのチームも最終ラウンドで自分が持てるすべての知識、経験、スキルを駆使して、最高のパフォーマンスを発揮しました。

 

最終結果(上位入賞チーム)

 

 

栄えある第1位は

Team Yamakita-Sampei-Labでした。最初のフライトは惜しくも6点でセクションポイントをスキップしてしまい、ポイントを1点失ってしまったものの、そこからの怒涛の追い上げ、トライを重ねる毎にタイムをどんどん縮めていき、最終的には20.7秒のタイムを叩き出し見事逆転で1位を勝ち取りました。またTeam Yamakita-Sampei-Labチームは最も精度の高い着陸を実現したチームでもあり、Minidroneが着地円内上に完全に収まっていた唯一のチームでもあります。彼らの扱ったアルゴリズムは写真データから2値化を行い、A*法を用いて現在地と進むべき到達地点の経路計画を行いパス追従するアルゴリズムで、素晴らしい速さと正確さのフライトを見せてくれました。

第2位は

Sennbaduruチームでした。ファイナルラウンドを一番手で飛行をしたということもあり、最終調整をする時間がどのチームよりも短かった中で、唯一、全フライトのスコアポイントで満点を叩き出し精度の高いフライトを見せてくれました。Sennbaduruのチームの努力した点はシミュレーションラウンドでは画像取得時のノイズの影響を気にしなくてよかったのに対し、実機ラウンドを動かす際にはカメラセンサーのノイズの影響で機体の進行方向の決定に悪い影響を与えてしまうためという問題を抱えていたため、シミュレーションラウンドからファイナルの実装ラウンドにかけてノイズ対策用を盛り込んだモデルに大幅に改変し、見事安定した飛行で2位を取りました。

 

第3位は

Kindai Universityのチームです。大会で使用するドローンはPCとBluetooth接続をするのですが、大会本番中に、急遽、外部電波の影響による接続トラブルが発生しました。限られた時間の中で迅速にその問題に対応をしながら、ハンデを強いられながらも、飛行したラウンドは見事に全て完走を果たしました。また、Kindai Universityのチームメンバーは実はSimulinkを触るのが初めてであるにもかかわらず、Stateflowを使いこなし、唯一Minidroneを旋回させ(機体前方向を進行方向に合わせ)ながら飛行していく方式を採用しています。難易度の高いアルゴリズムにも関わらず学生自ら考えた精巧に作りこまれた制御モデルで精度の高いライン追従を果たし安定飛行をさせながら見事完走し、第3位入賞を果たしました。

 

終わりに

どのチームも技術力が高く、白熱した大会となりました。実際のものつくり現場でもシミュレーションと実機実装を組み合わせたモデルベースデザインという開発手法によって、製品が生み出されます。シミュレーションラウンドと実機ラウンドを行うMinidrone Competitionがモデルベースデザインを学ぶ機会になれば、元・開発エンジニアとしても嬉しく思います。

来年以降もMinidrone Competitionを開催する予定です。今回参加できなかったチームや興味を持っているチームの方がいましたら気軽にお問合せください。皆様のおかげで、Minidrone Competition は若き技術者たちにとって、自身のスキルを磨き、創造性を発揮する素晴らしい場にすることができました。今後も学生のスキルアップ、さらに科学技術の発展に貢献できるよう、本大会の継続開催やその他大会に出場する学生の支援に邁進してまいります。

 

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The MathWorks GK
マーケティング部テクニカルマーケティングエンジニア
学生コンテスト担当
飯島福信 Nobu Iijima

Email: niijima@mathworks.com
X: NobuthWorks<https://twitter.com/NobuthWorks>
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