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あなたの MATLAB コードをもっと多くの人に使ってもらうための3つのステップ

※この投稿は 2025 年 6 月 23 日に The MATLAB Blog へ 投稿されたものの抄訳です。
私たちはそれぞれさまざまな理由でコードを開発しますが、いったんそれを他の人と共有し始めると、共通する思いは一つ。それは、できるだけ多くの人に使ってもらいたい、そしてできれば貢献もしてもらいたいということです。
より多くのユーザーに興味を持ってもらうために、すべての MATLAB 開発者ができることを 3 つ紹介します。
また開発者としての作業も楽にしてくれるはずです!

1. GitHub でコード開発する

バージョン管理に Git を使っていますか?たとえそうでなくても、GitHub はプロジェクトをホストするのに最適な場所です。1つの理由はコードのバックアップをとっておけること。もちろん現在のバージョンだけでなく、これまでにコミットしたすべてのバージョンが保存されます。また、GitHub Issues などのツールも利用でき、ユーザーが議論したり、機能をリクエストしたり、提案を行ったりできます。これにより、プロジェクト管理がしやすくなり、コミュニティを築くきっかけにもなります。
現在、多くの開発者がオープンソースコードを探す場所として GitHub を期待しており、そのコラボレーションモデルもよく知られています。開発者として、プロジェクトに取り込む内容を自分で完全に管理でき、他の人が関わる方法も明確です。
最近のリリースで、MATLAB と Git および GitHub の連携は大幅に改善され、これらのツールをワークフローに取り入れるのがこれまで以上に簡単になっています。
おまけのヒント:しっかりとした README.md ファイルを作るのを忘れないでください。R2025a から MATLAB は Markdown のサポートが大幅に向上したので、ツールボックスの機能や使い方をわかりやすく説明するのに活用しましょう。

2. File Exchange に公開(自動で!)

開発者は GitHub であなたのコードを探しますが、MATLAB ユーザーは File Exchange でも見つけられることを期待しています。2001 年以来、File Exchange は MATLAB ユーザーが役立つコードを探す場所であり、単なるウェブサイト以上の存在です。
MATLAB の [ホーム] → [環境] パネルには、アドオンのアイコンがあります。これをクリックすると、アドオンエクスプローラーが開き、MATLAB を離れずに File Exchange にあるすべてのものを探してインストールできます。
実用的なポイント:コードを File Exchange に公開すれば、MATLAB ユーザーは MATLAB 内から直接そのコードにアクセスできます。これにより、ユーザーがあなたのプロジェクトを見つけてインストールするのがずっと簡単になります。
次の動画は、FSDA ツールボックスをインストールしているところです。
GitHub と File Exchange の連携は、完全に自動化することができます。その方法の詳細はこちらにあります。GitHub を更新すると、追加の作業なしで File Exchange も自動的に更新されます。File Exchange は、GitHub リポジトリのデフォルトブランチを常にミラーするように設定することも、GitHub のリリースと同期するように設定することも可能です。
さらに、すべての File Exchange のページには「Open in MATLAB Online」ボタンが付き、ユーザーはあなたのツールボックスを MATLAB Online ですぐに使うことができます。
ここで、3つ目のポイントに移ります。

3. 「Open in MATLAB Online」リンクとボタンを追加する

このことについては、以前の記事「MATLAB Online x GitHub で Open & Reusable な研究を」で紹介しました。アイデアはとてもシンプルです。このウェブページを使って、GitHub リポジトリを開くリンクを生成し、次のようなボタンで表示されるようにします。
– Open the Fourier Analysis tutorial in MATLAB Online
これにより、ユーザーは MATLAB をインストールしなくても、あなたのコードやツールをすぐに使い始めることができます。実際、多くの場合 MATLAB ライセンスすら必要ありません。これにより、プロジェクトはこれまで以上に使いやすく、オープンで、アクセスしやすくなります。
おまけのヒント:デモ用のライブスクリプトを 1 つ以上作り、必要ならライブコントロールも含めて、プロジェクトのインタラクティブなドキュメントや導入ガイドとして使いましょう。そして「Open in MATLAB Online」ボタンの1つをこれにリンクさせれば、ユーザーがあなたのプロジェクトを簡単に試せたり、新しい機能を学べたりします。

この方法で運用されている MATLAB コミュニティツールボックスの例

FSDA – Flexible Statistics Data Analysis toolbox
FSDA は、統計的異質性をもつデータセットをロバストに解析するためのツールボックスで、私が最初にブログで紹介した MATLAB コミュニティツールボックスでもあります。FSDA は、上で挙げた3つのポイントをすべて実践しています。公式ウェブサイトとあわせて、

  • FSDA on GitHub
  • FSDA on File Exchange. (この記事執筆時点での File Exchange 経由のダウンロード数は 19,500)
  • – FSDA は「Open in MATLAB Online」を効果的に活用しています。最新リリースの新機能を紹介するデモ用のライブスクリプトもあります。

PIVLab – GUI 付きの粒子画像流速測定 (PIV) ツール
PIVlab は、無料でオープンソースの粒子画像流速測定 (PIV) ソフトウェアであり、現在最も多く引用されている PIV ツールです。File Exchange では最も人気のあるプロジェクトであり、File Exchange だけで 110,000 以上のダウンロードがあります。PIVlab もこの記事で紹介した 3 つのテクニックをすべて取り入れており、公式ウェブサイトも持っています。

EEGLAB
EEGLAB は、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)を拠点とする MATLAB コミュニティツールボックスで、脳波(EEG)データを解析するためのものです。最初のリリースは 2001 年にさかのぼり、もうすぐ 25 年になります。今年、引用数が 25,000 を超え、GitHub と File Exchange の両方に公開され、公式サイトもあります。

EEGLAB チームは 20 年以上にわたって先駆的な取り組みを続けており、最近は「Open in MATLAB Online」の事例にも取り組んでいます。

さらなるヒント

この記事で紹介した 3 つのポイントはいかがでしたか?もし他に有効なヒントがあればぜひ教えてください。またここで紹介した原則を体現している、おすすめのコミュニティツールボックスがあれば教えてください!
また、ぜひ MathWorks の「MATLAB Toolbox Best Practices」と、Ned Gulley による 2023 年のブログ記事もチェックしてみてください。

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