MATLAB MCP Core Server が公開されました
※この投稿は 2025 年 11 月 3 日に Artificial Intelligence へ 投稿されたものの抄訳です。
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このブログは、2025年10月31日(金)に GitHub で公開された新しい MATLAB MCP Core Server のプロダクトマネージャーである Akshay Paul との共同執筆です。github.com/matlab/matlab-mcp-core-server
AIの「コピペ問題」
もしあなたが私と似たタイプなら、きっと心当たりがあると思います。お気に入りのチャットアプリ(たとえば ChatGPT® や Claude®)を開いて、MATLAB について質問します。生成されたコードを MATLAB デスクトップにコピー&ペーストして実行しないといけないのが、ちょっと面倒。そして、そのコードが間違っていた場合(よくあります)、今度はエラーメッセージをコピーしてチャットに貼り付けて、またやり直し…という繰り返し。
この課題に対して、よい解決策が登場しました。このブログでは、MATLAB をエージェント型ワークフローに統合する方法をご紹介します。まずは、それがどのようなものかを簡単なデモで見てみましょう。
MCP:AI のための USB-C
生成 AI のチャット出力をコピー&ペーストするという面倒くささは、MATLAB に限った話ではありません。実際には、Visual Studio Code®、Claude Desktop®、Gemini CLI®など、あらゆる AI チャットやエージェントを自分のツール(ファイル、GitHub リポジトリ、MATLAB など)に接続しようとすると、すぐに MxN(複数のエージェント × 複数のツール)の組み合わせに悩まされることになります。
そこで登場するのが「Model Context Protocol(MCP)」です。MCP は、エージェント型 AI アプリとツール、リソース、プロンプトをクライアント・サーバー構成で接続するための標準化されたプロトコルです。

もしこの仕組みが MATLAB で具体的にどう動作するのかを考えると、以下のようなローカルでの通信例が考えられます:

- Claude Desktop にプロンプトを入力します。たとえば:「MATLAB で線形回帰を実行して」
- Claude Desktop は、このプロンプトと接続されている MCP サーバーおよびそれぞれのツール情報を、Large Language Model(LLM)である Claude Sonnet 4.5 に送信します。
- LLM はコードを生成し、それを MATLAB で実行するために run_matlab_code を呼び出すべきだと判断します。
- クライアントはサーバーと通信し、サーバーは MATLAB にコードの実行を依頼します。
- Claude Desktop はその結果を受け取り、チャットの応答として整形して表示します。
MATLAB MCP Core Server は、MATLAB におけるエージェント型コーディングを最適に実現するために設計された、5 つのツールセットを提供しています:
- detect_matlab_toolboxes
- check_matlab_code
- evaluate_matlab_code
- run_matlab_file
- run_matlab_test_file
MATLAB MCP Core Server は無料かつオープンソースです。必要なのは、ローカルにインストールされたライセンス付きの MATLAB、AI サービスのサブスクリプション、そしてお好みのクライアント(Claude Desktop、VS Code、Gemini CLI など)だけです。
次のセクションでは、3 種類のエージェント型アプリにおける使用体験をご紹介します:チャット(Claude Desktop)、統合開発環境(VS Code)、コマンドラインインターフェース(Gemini CLI)。
はじめ方
ここでは、MATLAB MCP Core Server に接続できる 3 種類のクライアントについて、導入の参考になる動画を紹介します。
- VS Code
前の例を発展させて、この動画では MATLAB でアプリをプログラム的に「vibe code」する方法を紹介しています。UI フロントエンドは、AI による生産性向上が特に歓迎されるユースケースのひとつです。
- Claude Desktop
この動画では、同僚の Maithili が Claude Desktop を使っている様子をご覧いただけます。よりカジュアルな体験が得られますが、開発環境に対する制御は少なめです。
- Gemini CLI
このターミナルインターフェースは、開発リードの Andrew によってテストされました。完全にエージェント型の雰囲気があり、非常に「手放し感」があるのが気に入っています。
インストール方法
MATLAB MCP Core Server のインストール方法についての短い動画はこちらです。リポジトリにはセットアップ手順が記載されていますが、同僚との会話を通じて、少し手助けがあると安心だと感じました。
私はこのサーバーを自宅の Mac Mini M4 に GitHub Copilot とともに導入しました。ここでは Mac 上でのインストールのみを扱っていますが、Windows よりも少し手間がかかるため(たとえば chmod + xでバイナリを実行可能にする必要があります)、その点に注意が必要です。
これらのツールに初めて触れる方は、LLM が生成したコードの実行やファイルへのアクセスなど、Agentic AI ツールの使用に伴うリスクを理解しておくことが重要です。
以上です。今回のリリースを気に入っていただければ幸いです。ご意見がありましたら、GitHub リポジトリに issue を投稿してください。開発チームが継続的に改善に取り組みます。
AI コーディングをお楽しみください!
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